トヨタ LFA市販へ

あしながおにいさん

2009年10月21日 22:29





ついにデビューしたLFAの市販バージョン。豊田章男社長によるトヨタ・レクサスブースの全体プレゼンテーションとともにアンヴェール。そして販売概要が早くも発表された。販売台数=500台、販売価格3万7500ドル前後(国内は3750万円前後)、生産期間は今年12月~12年の12月までで、12年にはスペシャルモデルが追加されるという。このスペシャルモデルはボディカラーなどの新設定はもちろん、サーキット走行を意識したものとなり、固定ウイングの搭載などが有力とされる。

全長4505×全幅1895×全高1220mm、ホイールベース2605mm、車両重量1480kg。乗車定員はもちろん2名で、エンジン排気量は4805cc(1LR-GUE)、最高出力560ps/8700rpm、最大トルク480Nm/6800rpm。駆動方式はFR。サスペンションは前がダブルウィッシュボーン、後がマルチリンクで、前後カーボンコンポジットディスク、タイヤサイズは前265/35ZR20(95Y)、後が305/30ZR20(99Y)。最高速度は325km/h、0-100km/h加速は3.7秒。ボディはカーボンコンポジット製。

ボンネットのレクサスエンブレムは中抜きまで冷却用のメッシュが張られ、ヘッドライトも複雑な内部構造を持ち、ルーフやリアディフューザー周りのカーボンの仕上げなどもかなりのものと、同社初の3000万円超スポーツとして気合は十分。どこか往年のスープラあたりをイメージさせるエクステリアデザインについても、欧州のスーパースポーツとは一線を画すトヨタフィロソフィという見方からすれば、特に海外から見れば十分にエキゾチックということなのかもしれない。

要のエンジンは4.8リッターで、トヨタF1の開発経験を持つスタッフの手によるものだが、そのエッセンスこそ取り入れたものの、完全にLFAのために開発したもの。当然、他モデルへの転用や気筒数ダウンなどによる転用も今のところ計画にはない。9000回転前後という超高回転域でも加速感を維持させるため、チタン製吸排気バルブ、DLCコーティングの超軽量ロッカーアーム、クランクケース各室独立構造、チタン製軽量コネクティングロッド、アルミ鍛造製軽量ピストンなどレーシングスペックのテクノロジーには事欠かない。最大トルクの90%を3700~9000rpmで発生する。

開発者によれば、もっとも困難を極めたのはエミッション性能の両立で、特に10気筒独立スロットル(負荷が大きい状態では特に燃費が不利)でのユーロVクリアが課題だったとか。また、雑味のないV10音を実現するため、ヤマハ(日本楽器)と共同開発も行い、排気システムの等長設計や、切り替え式マフラー、サージタンク形状の最適化による吸気音側の調律などを詰めている。キャビンのサウンドにも気を配り、車内へのサウンド伝達機構を採用したほか、エンジンマウントも最適化している。

トランスミッションは6速ASGで、大容量のシンクロナイザーリングと新開発アクチェーターによって変速スピードは0.2秒。4モードの切り替えダイヤルと7段階のシフトタイムスイッチによって、エンジン制御&ブレーキ制御と協調しつつ、変速特性を可変できる。ブレーキはスポーツモード付のVDIMだ。もちろん配置は後輪車軸直前にミッションが置かれるトランスアクスルレイアウト。

販売概要が発表されたばかりだが、購入希望受付は実は本日10/21(水)をもって始まり、10年春には購入者が決定される。

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